はじめに

この度『WEL-MOTHER』をご導入いただいた渋谷区様では、「柔軟な働き方を実践し、職員の業務生産性を改善することで区民サービスの向上につなげること」を目標に、率先して働き方改革を推し進めていらっしゃいます。
そこで今回は、『WEL-MOTHER』を渋谷区にて運営されている生活衛生課長 豊田さん、システム導入支援をいただいたシステム開発担当課長 松本さん、実際にシステムを使用されている職員のみなさんに、システム導入の経緯や導入後の効果についてお話を伺いました。

(聞き手 : ヘルスプロモーショングループ 関口)

WEL-MOTHER導入に至った経緯を教えてください。

渋谷区では働き方改革の一環として「柔軟な働き方を実践し、職員の業務生産性を改善することで区民サービスの向上につなげること」を目標に、新庁舎プロジェクトを成功させ、仕事のやり方を改革してきました。生活衛生業務では、昭和22年からの紙台帳を使用していたことから、業務の生産性向上を図り、保健所行政サービスの向上を実現させたいという狙いがありました。

このような状況の中でWEL-MOTHERを選んだ理由は、他社と比較しても日本コンピューターの担当営業やSEの方は、真摯に相談に乗って下さって、区の職員、窓口の職員一人ひとりの要望を実現してもらえる、という印象があったことです。そして、23区内の実績が多いことも決め手のひとつでしたね。現場の職員は専門職ですが、業務を熟知されている日本コンピューターさんなら大丈夫だと判断しました。関係者の多いプロジェクトではありましたが、Project Management Professional(PMP)®の資格を保有し、プロジェクト管理の基本的な体系を知りつつも柔軟に進めてくれる姿勢をSEさんから感じました。また、納品物でもあるドキュメントの内容(運用業務フロー、機能一覧等)を事前に確認したのですが、非常に理解しやすく、この点も事業者の選定の評価ポイントになりました。

豊田さん(生活衛生課長 豊田さん)

導入準備から稼働までで気になった点はありますか?

区側がメインで作業を進めなければならない受入検証の時期は、職員はかなり疲弊していました。ただ、そんな状況を日本コンピューターさんにお伝えした際に、来庁して対面で課題を処理してもらえたことが非常によかったです。日本コンピューターさんと職員の距離も一気に縮まりました。
あとは、システムに明るい方の傾向で、無意識にシステム用語を使用してしまうことがありますが、それだと職員にとっては難しすぎて逆に不安になってしまいます。しかし、日本コンピューターさんはわかりやすく丁寧な説明で、細かい箇所も相談に乗ってもらえたので非常に安心できました。

冒頭にも言いましたが、渋谷区では昭和22年からの紙台帳を使用しています。これを電子化するため、データエントリー業者とのコミュニケーションも並行して必要でした。関口さんに作成してもらったデータ移行関連図は、作業のイメージを関係者全員に焼き付けることができました。データ移行は4つの係で全て異なる入力方法でしたが、誰がいつまでに入力しなければいけないのか、作成して頂いた資料で職員全員がデータ移行のイメージを描けたと思います。データエントリー事業者ともしっかりコミュニケーションを取って頂き、データ移行の品質が担保されたことも非常に評価しています。

効率化できた作業はありますか?

統計についてはシステムを導入した効果が明らかに出ています。先日も予算要求に使用する資料を係に求めたところ、5分程度で作成できました。以前は同様の作業を依頼すると1時間程度かかっていたのですが、稼働後は2年目の職員でも数分で求めているデータを出せるようになっています。また、今まで紙台帳やExcel等で二重・三重管理だったデータがシステムのみになることも大きいです。今は入力したデータがそのまま活用できるので、どの係も退勤が早くなっています。

松本さん(システム開発担当課長 松本さん)

最後にWEL-MOTHER導入を経ての今後の展望を教えてください。

電子申請と、その内容をWEL-MOTHERに取り込む機能を導入したいです。まず、事業者さんに電子申請してもらい、区側では記載内容の審査を実施、その後、事業者さんには予約制で来庁してもらえるような仕組み。そうすれば事前に申請の過不足も確認できましすね。あとは、お問い合わせにチャットボットで対応できるような機能もいいですね。チャットボットは渋谷区LINE公式アカウントの子育て情報分野で稼働しており、とても好評なので。対面でやり取りする必要のあるケースに今まで以上の時間を割くことで区民サービスの向上を図っていきたいです。現在、渋谷区は「来なくて済むものは来なくていい」というコンセプトなので、WEL-MOTHER導入をきっかけに次のステップに行きたいですね。


ここからは、実際にシステムを使用されている職員のみなさんにお伺いしました。
環境衛生係根本さん、事業係曽我さん、食品衛生係和泉さん、下橋さん、医薬係井上さん、橋本さんです。
関口関口

導入準備から稼働について不安に感じた点はありましたか?

根本さん根本さん

正直全くありませんでした。他自治体でも導入実績があるシステムが入るということで、非常に期待感・安心感がありました。
こちらがシステム構築に素人で、質問の投げかけが上手にできない場合でも、質問に対して適切な回答をもらえるだけでなく、まとめきれていない質問もまとめながらヒアリングしてくれて、非常に安心感がありました。「技術的にできません」「仕様です!」とバッサリ切られることもなかったので。できることについても、運用上適するものをいくつか選択できる形で提示していただいたので、信頼できました。

曽我さん曽我さん

全くなかったです。システム導入実績が23区内にあることから、プロジェクト管理から全て日コンさん主導で進めてもらったので、一部の職員に負担が集中することもありませんでしたし、営業さん、SEさんも粒ぞろいで来てくれて助かりました。とにかくレスポンスがよく、また資料の完成度も高かったです。

井上さん井上さん

初めは、システムで何ができるのかが分からず、そのため質問もわからないという状態でした。しかしSEさんは私たちの要望をはじめから理解していることが多かったので、意思疎通に時間は要しませんでした。
稼働後のシステムを見ると、非常に職員の意向に配慮してもらえたと思います。また、23区内での実績とノウハウが非常に高いので、その良さも出ています。

関口関口

システムの課題または評価できることがあれば教えてください。

根本さん 根本さん

メリットは保存性や同時使用に耐えられる点、検索性が非常に高まったことです。デメリットは、画面で情報を確認していくので、一目での分かりやすさは紙台帳が優れていると感じます。ただ、このデメリットは「慣れ」も影響しますね。
あと、集計機能は非常にありがたいです。これまでは大半は人力で数字を拾っていましたが、日々の業務から数字が拾えてきて統計資料が出せるのは電子化した大きな効果だと思います。大半の数字はボタン一つで拾えるので、統計担当が非常に助かっています。

曽我さん曽我さん

何の違和感もなく使用しています。以前は職員が作成したシステムでの管理でしたので、その運用の怖さから離れられてよかったです。

和泉さん和泉さん

施設の一覧表を作成する際に、様式を自由に設定できる点が非常に便利です。複数の情報をタブによって並行して閲覧することができ、非常に自由度が高いところは嬉しいです。

下橋さん下橋さん

検索条件をあらかじめ設定することができたりとか、帳票を自分で編集することができたりとか、そういったところも使いやすいです。

橋本さん橋本さん

台帳コピー機能と自動発番機能のおかげで台帳作成の時間短縮になりました。また、現場への実査でも、対象の施設の過去の状況等を確認しながらチェックできるところが助かっています。


編集後記

システム導入中の約1年間、みなさんがシステム化に対して非常に前向きで、通常業務でお忙しい中でも多大なご協力を賜ることで無事安定稼働することが出来たと感じています。弊社としても進化に繋がる貴重な経験でした。
最後になりますが、インタビューにご協力いただきありがとうございました!