旧街道が、現代の地図上に蘇る。いっぽ一歩、人の足で作り上げた旧街道情報サイト

中原 進
  • 人力 プロデューサー
  • 中原 進
  • 『人力(じんりき)』のサイト構成やデザイン、GoogleMapsを使った街道地図開発の監修、ツールの開発など、サービスの立ち上げに参加。

旧街道という新たな切り口でウォーキングを応援する『人力』。

江戸時代に幕府や各藩によって整備された道「旧街道」と、その旧街道上にある「宿場」や「一里塚」を紹介する情報サイト『人力』。歴史探訪を楽しむだけではなく、健康増進や介護予防に向けたウォーキング促進のための情報提供を行っています。一里塚をチェックポイントにしながら宿場で休憩し、歴史の残る町並みと現代の街並みを眺めながら歩く。そんなウォーキングが『人力』をご活用いただくことでお楽しみいただけます。

スタッフ
人と人がつながることの
素晴らしさを、
このプロジェクトで学びました。

ささやかな想いが、やがてビッグデータへと発展。

nichicomの前社長である長井克成が、2006年に退任した際に「これから歩いて日本一周する」と宣言。そのサポートをしようという、ある意味、親孝行的な想いからプロジェクトがスタート。日本一周のための調査を進めていくうちに「旧街道」の存在を知り、それを歩いて制覇するという過程が、そのままサービスの核となりました。2006年に歩きはじめ、2012年に日本一周を実現した長井前社長こと「歩人(あるきんど)かっちゃん」が、実際に旧街道や名勝を巡りながらデータベースを構築したことで、今では他にはない膨大かつ貴重なデータベースへ。雑誌やイベント、TV番組でも情報を求められるまでに成長しました。

ユーザーとの共創に感じる、大きな可能性。

サービス立ち上げ当初、旧街道の情報があまりにも乏しく、それを集めることに苦労しました。五街道と呼ばれる「東海道」「中山道」「甲州街道」「日光街道」「奥州街道」は比較的情報がありましたが、その他無数にある旧街道情報はインターネット情報だけでは集められませんでした。しかし、「歩人かっちゃん」が実際に歩いていくうちに、「街道会議」といった街道に関わる活動をされている方々や、プロジェクトに興味を持ってくれた人たちにご協力いただけるようになり、欠けていた情報が徐々に集まるようになりました。その甲斐あって無事に日本一周を達成。最後の区間にも、多くの方々が応援に駆け付けてくれました。それまで自治体関連のサービスを展開してきたnichicomでしたが、このサービスを通して直接一般ユーザーの方とつながりを持てることに大きな魅力と可能性を感じました。

『人力』プロジェクトから生まれた、『昔ばなし絵巻』。

旧街道の調査中、浦島太郎の舞台となった場所に偶然たどりつきました。しかし、その地に伝わる浦島太郎の終わり方は、私たちがよく知るものとは異なっていました。深く調査をしてみたところ、知らなかった様々な事実が明らかになり、その発見をきっかけに民話の調査も開始。民話の膨大な数と多彩な物語性は、1つのプロジェクトとして確立させた方が良いという結論に達し、「昔ばなし絵巻」に発展しました(詳しくは『昔ばなし絵巻』をご覧ください)。

「地域性」をキーワードに、より魅力的なサービスへ。

今後、「地域性」をキーワードにサービスを発展させていきたいと考えています。歴史や伝説に興味がない方でも、自分が住んでいる地域など、何らかのゆかりのある場所の物語や情報については強い関心を示されます。全国各地につながっている旧街道の「地域性」を中心に、さらに多くの方々へ旧街道の魅力をお伝えしていきたいと思います。

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